KOOV Challenge 2025 結果発表

Cover Image for KOOV Challenge 2025 結果発表

今年の夏もKOOV Challengeにご参加頂きありがとうございました。

「KOOV Challenge 2025」の受賞者を発表します。
受賞者のみなさま、おめでとうございます!

ロボット制作部門

今年のテーマは「笑顔の発明家になろう!」。

大切な人を笑顔にできるようなロボットをKOOVで思い思いに制作していただきました!

ではさっそく、受賞作品を見ていきましょう。

未就学区分

金賞: 食べものはこびロボット
プレイヤー: やま(年長🚀) さん


銀賞: すいかろぼ
プレイヤー: じょうたろう さん


銅賞: シンデレラになってLet’s go!
プレイヤー: めいちゃん さん


未就学区分担当審査員講評

金賞の『食べものはこびロボット』は、パパにインタビューをして、大切な人を笑顔にするためにはどのようなロボットが必要かを新しく設計し、目的達成のための手段としてプログラミングで試行錯誤し、完成度の高い作品に仕上げた工程を高く評価しました。無心につくる中で好きな形ができたり、獲得した技術を使いたいという発想で発明を進めることも可能ですが、論理的にデザインプロセスを踏んでかたちにすることは大人でもなかなか難しいものです。
作品の形状ですが、飲み物を入れたコップは揺れるとこぼしてしまいますから、お皿を置く空間を保ちつつ2階の土台をしっかりつくることは大変だったと想像します。プッシュスイッチや赤外線フォトリフレクタの機能も効果的に利用しています。ブロックのカラーと看板の色を合わせたり、誰にでも伝わる信号機と同じ色でLEDを光らせたりと、まとまりがよく作品の機能美を感じました。何よりパパの気持ちを想像して看板におかわりの面を持たせたことは、ユーモアとホスピタリティがあり、とても楽しく見させていただきました。素敵な作品をありがとうございました。

銀賞の『すいかろぼ』は、お母さんと体験したスイカ栽培における、自然現象を注意深く観察し、その循環を見事に表現している作品です。太陽や水の出るジョウロ、双葉から花が咲く様子、スイカ割りから食べてタネを撒くところまで、ワンショットの動画からすべての必要なものや流れを表現しようとする熱意が伝わってきます。植物を造形に落とし込むのは難しいものですが、実物に近いスイカの花や、小さくなっていくスイカの様子などもよく表現されています。作品の水やタネを豪快にまく様子もオリジナリティがあり面白いと思いましたが、何よりも「かんすう」と「ずっと」を使って大変だったスイカ作りの自動化に取り組んだ点は、笑顔の発明家だと思いました。素敵な作品をありがとうございました。

銅賞の『シンデレラになってLet’s go!』は、テーマパークのようなたくさんのアトラクション1つひとつの造形の完成度が非常に高く、いとこの女の子が楽しく遊べる機構になっています。光る馬車、揺れるブランコ、回るメリーゴーランドの動きが、ブロックパーツの形状とプログラミングを工夫して見事に表現されています。また、いとこを楽しませるだけでなく、ゴールを家にしたり、不安がなくなるようにパクパクくんをつくっておまじないで解決してあげる点は、作者の優しさと思いやりを感じました。自然な笑顔は親しい人から与えられる安心感や居心地の良さから生まれることをよく理解されているのだと思います。プレゼンもしっかりしていて、自分の中のストーリーを最大限かたちにするポテンシャルを感じます。素敵な作品をありがとうございました。

株式会社ソニー・グローバルエデュケーション シニアデザイナー
野末 真理香

U-G3区分

金賞: しんだいとっきゅうごうかエクスプレス号
プレイヤー: とらくん さん


銀賞: ミルク運び機
プレイヤー: ロボットくん さん


銅賞: 洗たくお手伝い機
プレイヤー: SI@shichida さん


U-G3区分担当審査員講評

金賞の『しんだいとっきゅうごうかエクスプレス号』は、一番に目を引くのはたくさんのブロックとダンボールを組み合わせてつくった作品の大きさですが、車内を見てみると一つ一つの車両に心のこもった仕掛けがほどこされ、ひきつけられます。明るい食堂やリラックスできる寝室、暖かいお風呂がブロックとプログラミングにより再現されており、妹さんをはじめとして誰もが快適な旅をできるように想像しながらつくっていることがわかります。とらくん さんの積み上げた大作が遠くへの旅を楽しくしてくれるのに間違いありません!

銀賞の『ミルク運び機』は、少ないブロックで作られた「ミルク運び機」ですがシンプルながらも造形やプログラムに試行錯誤が垣間見える秀作です。上部に取り付けられた牛の首を振る動きや、偶然かもしれませんが前進する時のヨチヨチした動きも小さな赤ちゃんの注目を集めるでしょう。哺乳瓶を取り出した後、緑の光が間接照明のようにやさしく照らすところも気づかいを感じます。ロボットくん さん兄妹愛が感じられる心温まる作品です!

銅賞の『洗たくお手伝い機』は、洗濯をして洗濯機から取り出し、たたむところを自動化したアイディアの光る作品です。家事が効率化されて誰もがニッコリしますね。洗濯物をヒモで引っ張り上げる構造や折りたたむ構造でかなりの工夫をしたと思います。KOOVでここまでできたのか!と驚いてしまうような構造にまで至ったのは SI@shichida さんが根気強くブロックの付け方やモーターの動かし方で試行錯誤した成果。とてもパワフルな作品です!

株式会社ソニー・グローバルエデュケーション クリエイティブアートディレクター
宮代 宇穂

U-G6区分

金賞: 自動タオルたたみ機
プレイヤー: だいふくちゃん さん


銀賞: ベースボールスタジアム
プレイヤー: guu9400 さん


銅賞: 自動うちわ
プレイヤー: ちう 検証してほしいこと募集中 さん


U-G6区分担当審査員講評

金賞の『自動タオルたたみ機』は、タオルをたたむお母さんが楽になるように考えぬいて作られた””回転使いの笑顔の発明家”と呼びたくなるような素晴らしい作品でした。
タオルを折りたたむ一連の動作を回転の仕組みで実現し、何度も発見と工夫と改良を重ねて作られたことが伝わってきます。造形の全てに工夫が凝らされており語り尽くせません。
回転の軸にタイヤを用いることで摩擦力を高め、滑りを防ぐと同時に床を傷つけない工夫をした点は実用的で見事です。さらに、左側の棒は画面左から右への回転の力を奥の棒に伝えながら、仕上げでは手前に回転して畳めるという巧みなブロック構造になっており、発想力の高さを感じます。そして右側の棒には外側へとんがりを設け、回転の力をタオルへ確実に伝えてしっかりと畳める工夫が施されている点も優れています。加えて、サーボモータを黄色い棒で支えて安定させる工夫や、連続してたためるように畳み終わった後に最初の位置に戻る仕組みも備えられており、完成度の高さが光ります。サーボモータをベーストレイに差す位置を変えることで対応できるタオルの長さを簡単に調整できる汎用性の高さも素晴らしい点です。
仕上がりはまるでお母さんが畳んだかのように美しく整い、思いやりと技術が見事に融合した発明でした。

銀賞の『ベースボールスタジアム』は、一人で投げて打つ練習ができるだけでなく、二人に分かれて試合を楽しむこともでき、さらに観ている人まで一緒に盛り上がれるよう工夫された、とても魅力的な作品でした。ボールを乗せてボタンを押すと投げる仕組みや、別のボタンでバットを回転させて打てる仕組みは、直感的でわかりやすく、本物の野球さながらの臨場感を感じさせてくれます。キャッチャーゾーンのセンサでストライクを判定し赤いLEDが光る演出や、グラウンドに三つ設けられた穴とセンサによって、ホームランやヒットをLEDマトリクスに表示する工夫はとても楽しく、遊ぶ人だけでなく見る人にもわかりやすく伝わる点が素晴らしいです。ここまで立派に作り込まれると、より臨場感を増す工夫として、ホームランやヒットの表示がない間は、野球中継のようにLEDマトリクスにストライクやボール、アウトの数や点数などを表示するなど発想が広がります。遊ぶ人を笑顔にし、誰もが楽しめる工夫が詰まった素敵な作品でした。

銅賞の『自動うちわ』は、暑い日にとても役立ちそうなアイデアでありながら、見た目も楽しい作品でした。ボタンであおぐ速さを変えられる仕組みや、その速度がLEDマトリクスに表示される工夫はとても分かりやすく、遊びながら操作できる点が魅力的です。全体がシンプルな設計でまとめられているため仕組みが理解しやすく、誰でも気軽に楽しめるのも良いところです。さらに、うちわそのものもブロックで作られており、青色のパーツを使ったデザインが涼しさを感じさせてくれました。高速で動かすと遠心力で手元がぐあんぐあん揺れるのですが、それもまたユーモラスで面白く、思わず笑顔になってしまう要素になっていました。実用性と遊び心の両方がバランスよく盛り込まれた、とても楽しい作品でした。

株式会社ソニー・グローバルエデュケーション テクニカルリードエンジニア
関谷 恒甫

Open区分

金賞:ワンアームの相棒
プレイヤー: AZM さん


銀賞:みんなの心に打ち上がる花火
プレイヤー: 15(ichigo) さん


銅賞: ねこ型運搬ロボット
プレイヤー: りんと さん


Open区分担当審査員講評

金賞の『ワンアームの相棒』は、アームに特化したロボットとして極めて完成度が高く、私自身、実際の動作を拝見して大変驚かされました。複数のモータを緻密に連携させ、人の手の動きを再現するその様子は非常に独創的であり、制作者の強い探究心と技術力が感じられます。
特に印象的だったのは、その複雑な動きを支える設計の巧みさです。重心のバランスや各部品の強度を考慮しなければ、このような機構はすぐに壊れてしまいますが、本作品はその点までしっかりと計算されており、安定した動作を実現しています。実際のデモンストレーションでボトルを拾い上げる場面では、家庭の中でも活躍できる現実味のある完成度に達していることを強く感じました。
また、操作性においても非常に工夫が凝らされており、加速度センサーを用いた直感的な遠隔操作が可能となっています。これにより、家庭利用にとどまらず、医療や介護、さらには災害現場など、多様な場面での応用が容易に想像されます。
単なる技術実験にとどまらず、「未来に本当に役立つ姿」を形にしたこの作品は、まさに金賞にふさわしいものです。制作者の挑戦心と確かな実力に、心から敬意を表します。

銀賞の『みんなの心に打ち上がる花火』は、複数のマルチLEDを緻密に組み合わせ、夜空に咲く花火を忠実に再現した点に大きな感銘を受けました。打ち上げの瞬間から広がり、やがて静かに消えていくまでの一連の流れは非常に自然であり、花火の美しさと儚さを見事に表現しています。光のきらめきを眺めていると、まるで本物の花火を見上げているかのような臨場感があり、制作者が「花火を通して感動を共有したい」と強く願った気持ちが確かに伝わってまいりました。
特に印象的だったのは、光だけでなく音の表現にまで工夫が施されている点です。ロボットを駆動させ、ダンボールを叩くことで花火独特の重低音を再現するという発想には、思わず驚かされました。光と音が組み合わさることで、作品全体が一層リアルに響き、まるでその場に花火が打ち上がったかのような体験を味わうことができました。
この作品は、単なる技術的な実演を超え、人に「感動を届ける」ことを真摯に追求した点で高く評価されます。創意あふれる発想と緻密な表現力に、心から敬意を表します。

銅賞の『ねこ型運搬ロボット』は、ねこ型の運搬ロボットという、見る人を思わず笑顔にさせるユニークな発想から生まれています。まず印象的だったのは、そのシンプルで洗練された外観です。配線をキューブ内部に通すことで、移動や運搬の妨げにならないよう工夫されており、すっきりとした見た目を実現しています。見た目のかわいらしさと同時に、実用性を意識した設計思想が伝わってきました。
さらに、配送したい場所を記憶し、正確に移動するという機能には、しっかりとしたプログラミング技術が盛り込まれており、単なるデザインロボットにとどまらず、確かな技術的挑戦を感じます。動作も安定しており、強度の高い組み立ては安心感を与えます。また、ブロックのカラーの配置もバランスよく工夫されていて、視覚的にも心地よい仕上がりになっています。
また、ロボットのモチーフを「猫」とした点が、この作品を独創的なものにしています。単に運搬をするだけでなく、猫らしい愛嬌を感じさせることで、「移動そのものを楽しむ」という体験を作品に付加しています。この遊び心が、実用性と表現性をうまく結びつけており、大変魅力的でした。
総じて、シンプルさの中に確かな技術と独自の発想が光る作品であり、銅賞にふさわしい完成度を備えていると強く感じました。制作者の柔軟な発想力と丁寧なものづくりに、心から敬意を表します。

株式会社ソニー・グローバルエデュケーション 未来教育事業部 統括部長
池長 慶彦

新人賞

新人賞: 応援してくれるクルマ
プレイヤー: かなた さん(未就学区分)


新人賞: すぺしゃるかばん
プレイヤー: めい さん(未就学区分)


新人賞: 歌いながら泳ぐ鯨
プレイヤー: さやか さん(Open区分)

特別賞

特別賞: アイーンでみんなを笑顔に!
プレイヤー: こっちゃん さん(U-G3区分)


特別賞: 先生、「それ、だめですよ!」ロボット
プレイヤー: はやて さん(U-G3区分)


特別賞: 暑い夏を快適に自動冷却剤装置
プレイヤー: そうすけ さん(U-G6区分)


特別賞: UFOキャッチャー(クレーンゲーム)
プレイヤー: めぐる さん(U-G6区分)


特別賞: 多笑芯変化菊花雷・二十連
プレイヤー: pgmR さん(U-G6区分)

 

入賞したみなさま、おめでとうございます!


ソニー・グローバルエデュケーションからのメッセージ

今年のテーマは笑顔の発明家になろう!〜あなたの大切な人を笑顔に〜でした。
あなたの大切な人を笑顔にすることは出来ましたか?私はどの作品を見ても、皆さんのその想いを感じ、笑顔の連続でした。素晴らしい時間をありがとうございました。
どの作品にも笑顔に導く、構想・企画があり、それを実現する開発・プログラミングがあり、その結果として大切な人の笑顔につながったのではないでしょうか?大切な人の笑顔の為に試行錯誤して、設計通りに動かない部分を修正し、何度も挑戦して皆さんが応募してくれた作品が完成したと思います。それを強く感じる作品ばかりでした。大変だったと思います。本当に素晴らしい作品をありがとうございました。来年はさらにパワーアップした作品でまたKOOV Challengeに応募してくださいね。心からお待ちしております。
日頃からKOOVを活用した学習に取り組んでくださった保護者の皆様、指導して下さった先生の皆様本当にありがとうございます。これからも子供たちの笑顔の為に共に取り組んでまいりたいと思います。これからもKOOVをどうぞよろしくお願い致します。

株式会社ソニー・グローバルエデュケーション
代表取締役社長 加藤 直樹

 

さいごに

今年のKOOV Challengeはいかがでしたか?みなさんが作品づくりやプログラミングに夢中になれるきっかけになっていたら幸いです。

今後もKOOVならびにKOOV Challengeをよろしくお願いいたします。

ソニー・グローバルエデュケーションの プログラミング教育

Media banner AMedia banner B