「ゲーミフィケーションって何?」
あなたは今、このようにお考えではありませんか?
ゲーミフィケーションは、学習にゲームの要素を加えることで、子どもの学習意欲の向上が期待できるためおすすめの学習方法です。
実際に、ゲーミフィケーションを導入した学習に関する調査では、ゲームに没頭するように学習にも集中して取り組めた子どもが多いことが明らかになりました。
本記事では、ゲーミフィケーションの概要とメリット・デメリットについて解説します。
ゲーミフィケーションを導入した事例もご紹介するので、子どもの学習に取り入れるべきか判断できるようになるでしょう。
ゲーミフィケーションとは?|学習意欲の向上に役立つ
ゲーミフィケーションとは、ゲームの要素を別の分野で応用することです。
『千葉大学教育学部研究紀要』によると、次のように定義されています。
ゲーミフィケーションとは
ゲーミフィケーション(gamification)とは,「ゲーム化」のことであり,ゲームでないものをゲームとすることである。以下,Werbach & Hunter(2012)に従って,ゲーミフィケーションについて概観しよう4)。 Werbach & Hunterによれば,ゲーミフィケーションという言葉は2010年頃からビジネス雑誌等で多く使われるようになった。彼らは,この言葉を「非ゲーム的文脈でゲーム要素やゲームデザイン技術を用いること」と定義する。 引用:『千葉大学教育学部研究紀要』 |
ゲーミフィケーションは、ビジネスで多く活用されていますが、現在では学習や福祉などに採用されるケースが増えています。
勉強にゲーミフィケーションを取り入れる場合は、「レベルアップ」や「ストーリー」などを含めて子どもの学習意欲の向上を目指します。
具体的には、計算ドリルを1ページあたり5分以内に終えた場合に、シールがもらえるというようにゲーム要素を含めると子どものやる気につながるといったことを実践しています。
ゲーミフィケーションを学習に取り入れる3つのメリット
ゲーミフィケーションを取り入れると、子どもが楽しく学習できることが分かりました。
実際にゲーミフィケーションの参考文献によると、学習意欲の向上に加え、ほかにも複数のメリットがあることがわかっています。
ここでは、次の3つに厳選してご紹介します。
- 子どものモチベーションを高められる
- 子どもが達成感を得やすくなる
- 子どもの学力の向上が見込める
参考文献:ゲーミフィケーションの要素を取り入れた小学校1年生向け電子教材の実践と評価
参考文献:総合的な学習の時間におけるアクティブラーニング型授業のゲーミフィケーションが生徒の学級への信頼に与える効果の検討
子どものモチベーションを高められる
ゲーミフィケーションは、ゲーム感覚で学習に取り組めるため、子どものモチベーションアップにつながります。
文部科学省の資料『全国学力・学習状況調査』によると、3割以上の子どもがテレビゲームを1日に2時間以上楽しんでいることが分かりました。
このようにゲームには、「時間を割いてでもやりたい」と思わせる仕組みが多数存在します。
その仕組みを活かして、ゲーミフィケーションを取り入れた学習は、子どもを惹きつけることができるでしょう。
子どもが達成感を得やすい
ゲーミフィケーションは、はじめに目標を設定して行うため、クリアすると達成感を味わうことができます。
とくに、グループワークで友達と一緒にゴールを目指して進める場合は、チームで達成感を共有できることもメリットです。
また、失敗したときにも友達と一緒に「次は頑張ろう」「ここが上手くいけばクリアできる」などと励ましながら進められるでしょう。
実際にグループワークにゲーミフィケーションを取り入れた調査によると、「学級への信頼(授業に取り組む意欲や目標を達成しようとする意欲)」を高められた例があります。
授業の実施前後において,普通進学コースでは,授業ゲーミフィケーションが学級への信頼にやや影響を及ぼすことが示された
引用:『総合的な学習の時間におけるアクティブラーニング型授業のゲーミフィケーションが生徒の学級への信頼に与える効果の検討』 |
また、「子どもは成功体験やポジティブな失敗体験を重ねると、自己肯定感を高めることができ、積極的に学習に専念できるようになる」といったデータもあります。
ゲーミフィケーションを取り入れることで、子どもが達成感を味わいながら前向きに学習に向き合えるようになることが期待できるでしょう。
子どもの学力の向上が見込める
ゲーム要素を含めると子どもが意欲的に学習に取り組めるため、学力アップが期待できます。
小学1年生にゲーミフィケーションの教材を実践してもらった調査結果では、2週間で30%以上点数が向上しました。
実践前後に行ったテストとアンケートの結果、ゲーミフィケーション教材は児童のモチベーションを高め、算数の能力、特に計算分野の能力を高める効果があることが分かった。 |
このように子どもの学習意欲を高めることで、学習した内容を理解しやすくなり、学力の向上に繋がりやすくなると言えるでしょう。
ゲーミフィケーションを学習に取り入れる2つのデメリット
ゲーミフィケーションを学習に取り入れることには大きなメリットがありますが、デメリットもあります。
そこでここでは、ゲーミフィケーションを学習に取り入れた際に起こるデメリットの中から2つご紹介します。
- 子どもがルールを理解できていない場合に躓いてしまう
- 保護者や先生の協力を得られない可能性がある
子どもがルールを理解できていない場合に躓いてしまう
通常のゲームと同様にルールを理解しなければ、子どもが「何をやっているのか分からない」といった状態になってしまいます。
ゲーミフィケーションを取り入れた検証でも、マイナス面として子どもの操作方法の理解不足が報告されています。
(教材)の使い方が分からなかったり,問題の解き方が分からない子はまずそこでつまづいていたので,そこはもったいないというのは(あった) |
保護者や先生の協力を得られない可能性がある
ゲーム要素を学習に取り入れることを受け入れられない大人も一定数います。
千葉大学教育学部研究紀要によると、教材などに使用されるキャラクターが学校文化にそぐわないことがゲーミフィケーションの欠点だと記述されています。
いかにもアニメーション作品に出てきそうなキャラクターが登場することが,教師や保護者などにどこまで受け入れられるかわからない。
引用:『千葉大学教育学部研究紀要』 |
保護者や先生などの身近な大人がマイナスなイメージを持っている場合、子どもも心から楽しむことができなくなるでしょう。
ゲーミフィケーションは、子ども心をくすぐるためにキャラクターなどを使用する必要がありますが、これまでの学校文化とかけ離れてしまうと懸念されています。
「学校文化」と「子どもの好奇心」の両方のバランスを保ちながら子どもが楽しく学習できる環境を整えることが理想だと言えるでしょう。
ゲーミフィケーションを取り入れた事例2つを紹介
ここでは、実際にゲーミフィケーションを取り入れた事例を2つご紹介します。
数ある事例のなかから、学習に取り入れたものと身近な家事に導入したものの2つをピックアップしました。
これからお子さまの学習にゲーミフィケーションを取り入れるべきか迷われている保護者は参考にしてみてはいかがでしょうか。
- 生徒の集中力の維持・学習意欲の向上効果が得られた事例
- 掃除機にゲーム要素を加えてモチベーションアップ効果が得られた事例
生徒の集中力の維持・学習意欲の向上効果が得られた事例
日本デジタルゲーム学会は、『ゲーミフィケーションを活用した大学教育の可能性について』調査を実施しました。
授業への「集中力の持続」や「学習意欲の向上」にゲーミフィケーションが有効であるかを調査するために実施されました。
ゲーミフィケーション要素を取り入れた授業形態を行ったところ、9割を超える受講生より以下の回答を得られました。
- 授業に集中できた
- 学習意欲が高まった
このことから「ゲーミフィケーションの教育現場への導入」に関する今後の展望について記載されています。
今後「ゲーミフィケーション」は社会のさまざまな分野において、これまで以上の速さで活用の拡がりを見せるものと考えられる。その中で大学教育のみならず、小・中・高等学校の授業や幼児教育、またシルバー世代の学習など幅広い学びの場において「ゲーミフィケーション要素を生かした教育」に関する研究と実践に携わって行きたい。 |
掃除機にゲーム要素を加えてモチベーションアップ効果が得られた事例
家事をゲーミフィケーション化した調査では、ゲーム的要素を加えたことにより、掃除が楽しくなったといった結果が得られました。
この調査では、「掃除機」に加速度を検出できるデバイスを取り付けて、ゲーミフィケーション化しています。
今回,家事のなかでも面倒と思われている掃除を対象とした.掃除機に対して加速度を検出できるデバイスを取り付け,そのデバイスを介してゲームの要素を付与することで,少しでも楽しく掃除が出来るようにすることを試みた
引用:『家事をゲーミフィケーション化する試み』 |
さらに、SNS上で共有したり、共同作業の楽しさを感じながらモチベーションアップを狙いました。
ゲーミフィケーションは、子どもの学習だけでなく、どの世代でも課題に対して楽しく取り組めるようになるので積極的に導入するべきだと言えるでしょう。
ゲーミフィケーションを体験したいならプログラミング教室がおすすめ!
ここまで、ゲーミフィケーションのメリットや導入事例をお伝えしました。
実際にゲームのように目標を設定して、子どもが意欲的に勉強できるようになれば嬉しいですよね。
しかし、いざ実践するとなると何から手をつけて良いかわからない方もいらっしゃるでしょう。
そこで、当メディアを運営するソニー・グローバルエデュケーションのKOOVパートナープログラミング教室をご紹介します。
KOOVパートナープログラミング教室は、「KOOV」という教材を使用してロボット制作・プログラミング学習を行う教室です。
「KOOV」はカラフルで触りたくなるブロックが特徴で、楽しくロボットを制作しながら学ぶことができます。
また、直感的に使えるプログラミング言語を用いるため、小さなお子さまでも簡単にロボットを動かせます。
プログラミングを使って新しい視点で世界を見れることで、「身の回りへの好奇心を持つ」「得意なこと・好きなことが増える」という体験ができるでしょう。
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ゲーミフィケーション まとめ
学習にゲームの要素を取り入れることで、子どもが意欲的に勉強できるようになります。
実際に、ゲーミフィケーションを導入した事例では、モチベーションアップや学習意欲の向上などの効果がありました。
子どもがゲームを楽しむように学習すると、スムーズに理解できたり、継続したくなったり前向きに勉強と向き合えるようになります。
はじめにルールや使用する機器の理解を深めてから実施すれば、ゲーミフィケーションの効果をより一層期待できるでしょう。