公立小学校でのプログラミング

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学習指導要領の改訂に伴い、2020年から小学校でプログラミングが必修化されましたが、実際にどのような授業が行われているかは各学校によって違います。そこで今回は、2022年12月に東京都荒川区立尾久西小学校で、弊社のKOOVを使って実施された授業の様子をお伝えし、小学校低学年のプログラミング教育について考えます。

保護者の方は「プログラミング教育ってどんな感じなの?」と疑問に思っている方も多いと思います。また学校の先生は「良いプログラミング教育ってどんな形だろうか?」「他校の取り組みをもっと知りたい」と思っている方も多いと聞きます。特に公立小学校での取り組みの様子を詳細に伝える記事は少ないので、このコラムが何かの役に立てばと思います。

生活科×プログラミング

基本的な話ですが、プログラミングが必修化されたと言っても、プログラミングという教科が新設されたのではなく、「既存の教科学習の中でプログラミングを扱っていきましょう」となっています。そこで現場の先生方の工夫で「この教科のこの単元を学ぶ時に、プログラミングを取り入れてみよう」となり、今では様々な授業が作られています。代表的な例としては、「算数の図形」や「理科の物質・エネルギー」の学びにプログラミングを扱ったものがあります。

しかし、今回の授業は2年生の生活科の「動くおもちゃ作りをしよう」という単元の中で行われました。生活科というのは、1年生と2年生に設置された教科で、社会と理科が統合されたような教科です。また単に知識を覚えればいいというものではなく、具体的な活動や体験を通して身近なものごとや事象について学ぶことを目標とした教科です。

「具体的な活動や体験を通して」というところがポイントで、これは正に具体物を作って動かすKOOVが得意とした取り組みと言えます。授業で使われたコンテンツは「遊びをつくる」をコンセプトにした『CREATE by KOOV』の中にある「りんごのなる木」です。これはブロックで作ったりんごの木を、DCモーターという回転する電子パーツをプログラミングで動かし、ぐるぐると回るりんごの木にりんごに見立てた赤いブロックやブロックで作った小鳥を乗せて遊ぶというものです。

では、実際の授業はどういったものだったかをご紹介します。

小学2年生のプログラミングの様子

授業はお昼休憩を挟んで2コマを使って行われました。2人1組となった班毎にKOOVとタブレット端末を用意して進めていきます。最初は先生の説明を受けてから、ブロックと電子パーツを使って「りんごの木」を組み立てました。KOOVの組み立ては、360°回転して見れる3D組み立てガイドがあるので、小学2年生でもどんどん作り進められます。組み立てに迷うところも隣同士相談して、時には先に進んでいる班に聞いたりして、ほとんど全員が予定時間内に組み立て終わっていました。

組み立てが終わると次はプログラミングです。ここでは予め用意された基本のプログラムを転送するとモーターが回転してりんごの木が回りだします。すぐにブロックでできたりんごや小鳥を乗せて遊ぶ子もいれば、「どんなプログラムで動いてるんだろう?」とプログラミング画面をじっくり見る子もいました。そうしてしばらく時間が経つと自然と遊び方の工夫が始まりました。木やりんごの形を変える子、木に乗せるアイテムをブロック以外で試す子、プログラムを変えて動きを変える子とアプローチは様々です。

どのように工夫していくかは子どもたちの興味次第です。こうなれば正解、という共通のゴールを定めないことで自由が担保されます。そうなると子どもたちは成功や失敗といった概念から解放され、本当に自由で良質な試行錯誤を繰り返していきます。

3D組み立てガイドを見ながらブロックを組み立てていく

プログラムを転送して動かしてみる

キーホルダーを乗せている子も

プログラミングで学習効果が加速する

自由といっても子どもたちは何もデタラメに取り組んでいくわけではありません。何かの工夫を加えると「なるほど!」とか「何でだろう?」といった気付きが必ずあります。そういった思考の拡散フェーズを通過すると、そのうちに「じゃあこうしてみよう」と子どもたち自身の中に課題と目標が形成されていき、取り組み全体が自身で設定したゴールに向かって収束していきます。

興味深かったのは2人1組だったことで、2人が協力してリンゴを全部乗せようとする班と、2人が対戦形式となって順番に乗せ合って遊んでいる班があったことです。「動くおもちゃ作りをしよう」というテーマの中で、彼らは単におもちゃを作っていたのではなくて、「どんなおもちゃを、どのように扱えば、より楽しくなるだろうか」と考えを巡らせていきました。おもちゃ作りを通して、自然と「遊び」そのものを作っていたのです。それはつまり、作品の造形や動き(プログラミング)だけに留まらず、友達との関係性やゲームの難易度と楽しさの相関といったことまで、無意識の内に考えていたはずです。きっと子どもたちは、単にプログラミングのスキルなどの知識の習得だけでなく、「具体的な活動や体験」を通したからこその幅広い経験を得ることができたはずです。

生活科の目標に「生活上必要な習慣や技能を身に付けさせ、自立への基礎を養う」とあります。それを踏まえて今回の授業の取り組みを振り返ると、モノとココロを同時に取り扱いながら、正解のない問いに対して考え続ける体験をしたことは、子どもたちにとって生きていくうえで必須となる技能を習得する機会になったのではないでしょうか。

リングをひっかけるゲームに!?

どちらがたくさん乗せられるか勝負!

一緒に全ての小鳥を乗せられるかチャレンジ中

お子さまの為にできること

プログラミングはスキルを身に付けることも大切ですが、他にも多くの学習効果が期待できます。時間が限られた学校の授業だけでは心配だという保護者様がいらっしゃいましたら、KOOVパートナー教室がお近くにないか探してみてください。良質な試行錯誤を促すことができる教育のプロの先生方が、みなさんのお子さまにこれからの時代を生き抜く力を育む体験を提供してくれるはずです。

また、学校、幼稚園/保育園、学童、習い事スクール等の方で、「うちの生徒にも体験させてみたい!」と思われた方は、ぜひソニー・グローバルエデュケーションにお問い合わせください。ワークショップ実施のご相談も承っております。

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