【会長コラム】日本の20年も先をいく英国のプログラミング教育

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世界最先端のプログラミング教育

英国と言えば、世界に先駆けて2014年に義務教育でプログラミング教育を必修化した国として有名です。
しかし、その源流となる「IT」の科目は、すでに1995年に初等教育・中等教育で導入されていました。1995年は、日本でもWindows 95が発売されるなど、社会ではパソコン需要が急激に高まった年ですが、子どもがパソコンを使っているイメージは少なく、まだ業務用のマシンだったかと思います。
その後、英国では1999年には科目名を「ICT」と変更し、基本的なコンピュータの操作や、オフィスソフトの使い方などを学習していきました。同じ頃の日本では、ごく一部の学校にパソコンルームが設置され、子どもたちがパソコンを触る機会がかろうじてあったくらいです。
とはいえ、英国でも2000年代までのICT教育は決してうまくいっていなかったようです。
ICT教育でコンピュータの操作を覚えるだけでは不十分で、本来目指していたのは、より創造的にコンピュータを使いこなし、新たなものを生み出すことです。また、専門的な教員が不足していたため、コンピュータを使った創造的な活動を指導するには限界がありました。

「Computing」科目の導入

そこで、「Computing」という新たな科目が2014年から設置されるようになったのです。
2013年からは一斉に教員研修を実施して専門家を育成したようですが、短い期間での決断だったので、現場では相当な苦労があったと思われます。
この「Computing」は、義務教育課程がはじまる5歳の時点で学習を始めます。
イングランドのナショナルカリキュラムでは、「Computing」は、主要科目(英語、数学、科学)や体育と同様に、5歳から16歳まで学び続けることになっています。
日本で5歳は未就学児である一方で、英国では幼児期から積極的にコンピュータを学ぶカリキュラムになっているのは驚きです。

プログラミング教育が早期化しているのは世界的な傾向ですが、スクリーンの中の抽象化された世界を小さな子どもが理解するのは限界があるので、大人が見守りながら進める必要があるでしょう。

ソニー・グローバルエデュケーションの プログラミング教育

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