「幼少期の育て方って今後の人生にどのような影響を与えるの?」
「どんな風に育てたらいいのかな?」
あなたは今、このようにお考えではありませんか?
育児には正解がないため、自分の育て方が正しいのか不安になる方も多いでしょう。
今回は、幼少期のお子さまを育てる保護者に向けて、育て方のポイントを解説します。
あわせて、「心を育む遊び」や「記憶力の向上に役立つ習い事」も紹介するので、できることから実践してみると良いでしょう。
幼少期の育て方が今後の人生に影響する?|子どもの心を育む大事な時期
「三つ子の魂百まで」「3歳までの育て方で子どもの脳は決まる」という言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。
はたして本当に、幼少期の育て方が今後の人生を大きく左右するのでしょうか。
結論からいうと、幼少期は子どもの心を育む重要な時期です。
内閣府・文部科学省・厚生労働省が公開した「幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説」によると、「乳幼児期の教育及び保育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要な役割を担っている。」と述べています。
つまり、幼少期の育て方が「人格形成や心の豊かさを育む基礎」となるため、将来に大きく影響するということです。
幼少期の育て方|保護者が心得るべき7つのこと
幼少期の育て方が生涯にわたる「人格形成の基礎」を培う重要な時期だとわかりました。
それではどのような育て方をしたらいいのか、文部科学省が公開している「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の中から7つをピックアップしました。
- 規則正しい生活リズムを保つ
- 思いやりを持って接する
- 満足感や達成感を得る機会を作る
- いろいろな人と関わりを持つ
- 遊びや生活のなかで考える力を伸ばす
- 自然と関わりを持つ機会を作る
- 美しいものや心を動かす出来事に触れる機会を作る
全てを意識しながら子育てするのは大変ですので、できることからはじめてみると良いでしょう。
1.規則正しい生活リズムを保つ
幼少期は「生活リズム」が形成される重要な時期であるため、規則正しい生活を心がけましょう。
保護者が意識すべき具体的なポイントは、次の2つです。
- 食事や睡眠、遊び、休息など心地よい流れで過ごす
- 睡眠やお風呂、歯磨きなどを行う前に子どもに適切な声掛けをする
日頃から食事や睡眠、遊び、休息など同じ流れや時間で過ごすと、次第に生活リズムが整います。
また、保護者がお子さまに声掛けをするときには、食事や睡眠のような生活を送る上で必須となる場面で行ってみてはいかがでしょうか。
お子さまが遊んでいるときに、美味しそうな食事のにおいが漂ってくると遊びに夢中になっていたとしても食事に興味が湧いてくるはずです。
そのようなときに「お腹がすいたね」「ごはんを食べようか」といった声掛けをすることで、自然と食事に誘導できるでしょう。
食事のみならず、お昼寝や夜の睡眠においても生活リズムを整えると、子どもをスムーズに寝かしつけることができるため保護者の負担が少なくなります。
将来的に規則正しい生活で過ごせるよう、幼少期のうちから「正しい生活習慣」を身につけておきましょう。
2.保護者が子どもに対して思いやりを持って接する
幼少期に限らず、保護者は子どもに思いやりを持って接することが大切です。
お子さまの行動や心の動きを温かく受け止め、理解しようとすることで子どもが「信頼感」や「安心感」を得られます。
安心した環境では、何かを学ぼうとしたり、新しいことに挑戦したり積極的になれるのではないでしょうか。
余裕があるときだけでも良いので、お子さまの表情をよく観察して、喜びや悲しみ、怒りなどに共感し、応えてあげましょう。
3.満足感や達成感を得る機会を作る
文部科学省の「子どもの意欲・やる気等の向上・低下に係る調査研究成果・事例の収集調査」によると、幼少期に「成功体験」を繰り返すことで自分の課題に対し、意欲的に取り組めるようになります。
子どもの「意欲・やる気等」とは、自己を認め、様々な事象に前向きに取り組める力
子どもの『自己効力感』、『積極性』や『主体性』を向上させ、他者との連帯感を得られ、意欲的な活動傾向を増加させる活動・取組として、成功体験・達成経験を伴う野外体験活動、スポーツ活動や就労体験活動などが挙げられている。 引用:文部科学省の「子どもの意欲・やる気等の向上・低下に係る調査研究成果・事例の収集調査」 |
そのため、お子さまが自分の力で達成できる課題を出すことが大切です。
たとえば、2歳前後のお子さまであれば、パジャマのズボンを自分で履くといった課題を出すと良いでしょう。
自分の力で考えたり、工夫したりしながら諦めずにやり遂げることで、達成感や満足感が得られます。
その結果、何事にも自信を持って挑戦できるようになり、自立心の芽生えにつながるでしょう。
日常生活のなかでチャレンジする機会を用意することを、意識してみてはいかがでしょうか。
4.いろいろな人と関わりを持つ
幼少期にいろいろな人と関わりを持つことで、協調性や共同性を育むことができます。
公園で年齢の近い子どもと遊んだり、世代の異なる祖母や祖父に会ったりするなど、人との関わりを多く持つと良いでしょう。
他者とのコミュニケーションでは相手を思いやることが必要です。
例えば会話をする場合では、自分の言葉によって相手がどう思うか考えることなどを通して、思いやりの精神を学ぶことができます。
5.遊びや生活のなかで考える力を伸ばす
幼少期の子育てにおいて遊びや生活のなかで、考える力を身につけることが大切です。
たとえば、親が先回りをしてすべてを教えてしまうのではなく、子どもが「なんで?」「どうして?」と考える時間を作ってあげると良いでしょう。
工夫したり、試したりして失敗することもあるかと思いますが、寛大な心で見守ることも重要な役目です。
親がすべてを教えてあげると、自分で考えずにすぐに人に答えを聞く癖がついてしまいます。
幼少期は、思考力や判断力、表現力の基礎を身につける重要な時期ですので、深く思考するきっかけを作ってあげましょう。
6.自然と関わりを持つ機会を作る
幼少期に自然と関わりを持つ機会を与えると、「命の大切さ」を学ぶことができます。
身近な動物や植物、昆虫などと触れ合うことで、接し方を考えたり、大切にする気持ちを持てるようになったりできるのです。
たとえば、観葉植物に水をあげるのを忘れて枯れた経験をすると「植物には水を与えなければ枯れてしまう」「大切にしなければいけない」といった感情が芽生えるでしょう。
保護者は、子どもが命あるものをいたわり、大切にする気持ちを育めるようにサポートすることが大切です。
7.美しいものや心を動かす出来事に触れる機会を作る
幼少期に心を動かす出来事に多く触れることで、感性の豊かな子どもに育ちます。
豊かな感性と表現
心を動かす出来事などに触れ感性を働かせる中で、様々な素材の特徴や表現の仕方などに気付き、感じたことや考えたことを自分で表現したり、友達同士で表現する過程を楽しんだりし、表現する喜びを味わい、意欲をもつようになる。 引用:文部科学省「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」 |
たとえば、朝日や夕日を見て「きれいだね」「大きいね」などと一緒に共感したり、可愛らしい動物を見て「かわいいね」と声掛けしたりすると良いでしょう。
また、子どもの学習行動を分析した調査によると「感性の豊かさは学力の向上につながる」といった結果がでています。
「感性(感じる力)」は学力形成の必須要件 |
保護者は、お子さまにとって「心を動かされるものは何か」を思い浮かべて、より多くの経験をできるようにサポートすることが大切です。
幼少期の育て方で取り入れるべき「心を育む4つの遊び」
文部科学省の「幼児と一緒に遊ぶときの配慮について」によると、保護者が心得るべき7つのことは遊びを通して経験することができます。
ここでは、心得るべき7つのことを経験できる遊びの中から4つご紹介します。
- 読み聞かせ
- お絵描きや工作
- おままごと
- 手遊び・歌を歌う
読み聞かせ
絵本は、想像力をつけたり、興味や関心が広がったりとメリットが多く、幼少期の心の成長に欠かせません。
さまざまな登場人物の世界観を知る機会になるので、お子さまの成長にあわせた絵本に触れることが大切です。
また、絵本の感想を伝えあったり、ゆったりとした雰囲気で楽しんだりすることも読み聞かせのポイントです。
保護者自身も絵本や物語の世界の面白さを体感し、共感し合うことで子どもとの信頼関係にも良い影響を与えるでしょう。
読み聞かせでは、絵本のなかの世界観に触れられるため、お子さまの心を動かす経験の1つになるでしょう。
お絵描きや工作
お絵描きや工作をすると、表現意欲を高めることができます。
幼少期の子どもは、空き箱や紙などの身近な素材を使って遊んだり、何かを作ったりすることが好きです。
具体的に完成イメージが浮かんでいなくても、手を動かしながら制作していきます。
この過程で想像力や表現力の向上につながるため、保護者は子どもを型にはめずに子どもが自由に遊べる環境を作ることが大切です。
また、お絵描きや工作は、作品を作りあげる経験を通じて、満足感や達成感を得られます。
段ボールで家を作ったり、ティッシュの箱に絵を書いたりといった遊びを取り入れてみてはいかがでしょうか。
おままごと
おままごとは、自発的に物事を考えて自分の役になりきるので、発想力や表現力の習得に繋がるでしょう。
子どもは、お母さんやお父さん、ヒーローやプリンセスなど、何かになりきって遊ぶことが好きです。
登場人物への憧れの気持ちから、ごっこ遊びを楽しんだり、演じたりできます。
保護者は、やさしく見守ったり、同じ目線で何かの役割に徹してみたりして遊びましょう。
おままごとを通してお友達の価値観に触れたり、役を譲り合ったりとまわりの人に対して思いやりを持って接することができるようになります。
手遊び・歌を歌う
手遊びや歌を歌うことで、身体の動かし方を学んだり、表現力を身につけたりできます。
大人が楽しく歌ったり踊ったりしている様子を見て「一緒に歌いたい」「身体を動かしてみたい」といった気持ちが芽生えます。
小さい頃に歌っていた歌や子どもが好きなキャラクターの歌などを歌いながら一緒に音楽を楽しみましょう。
手遊び・歌を歌うことで、歌詞や手遊びの手順を覚えるなど、遊びや生活のなかで考える力を伸ばすことができます。
幼少期の育て方に悩む保護者におすすめしたい2つの習い事
幼少期に習い事をすると、集中力を高められたり、体力向上したりといった効果が見込めます。
また、習い事をして多くの人と関わりを持ち、経験値を高めることで、感性の豊かな子どもに育ちます。
もちろん習い事によって得られる効果は異なりますが、お子さまの成長にポジティブな効果が期待できるでしょう。
ここでは、文部科学省が公開しているデータ※の中から2つ厳選してご紹介します。
・プログラミング教室
・体操教室
※「小学生プログラミング教育の趣旨と計画的な準備の必要性について」
※「幼児期運動指針について」
プログラミング教室
小学校のプログラミング必修化を受け、プログラミング教室は人気が高まっています。
幼少期からプログラミングに触れることで、「プログラミングって楽しい」と感じる体験ができるのでおすすめです。
幼少期のプログラミング教室では、実際にコンピューターを使うというよりも、アイデアを形にすることを大切にしています。
具体的には、自分の絵を動かしたり、オリジナルゲームをつくったりするので、子どもが楽しく思考力を高める時間を増やすことができるでしょう。
当メディアを運営するソニー・グローバルエデュケーションのKOOVパートナープログラミング教室では、「KOOV」というロボット・プログラミング教材を使ってプログラミングを学びます。
「KOOV」はカラフルで触りたくなるブロックが特徴的で、楽しみながらロボットを制作します。
就学前のお子様でも十分達成できる難易度から幅広くレベルが設定されており、遊びながら楽しくプログラミングを学ぶことができるでしょう。
月謝は約1万円ですが、キットはレンタル可能ですので教材費は必要ありません。
(※一部レンタル有料・購入必須の教室がございます)
さらに、全国47都道府県で1000以上の教室数を展開しているため、どなたでもお近くの教室が見つかるはずです!
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(※有料の教室もございますので、体験申込時に各教室のページをご確認ください。)
体操教室
文部科学省の調査結果では、『幼児は様々な遊びを中心に、 毎日、合計60 分以上、楽しく体を動かすことが大切』と述べています。
しかし次の調査では、4割を超える幼児が外で身体を動かせていないことが分かりました。
『文部科学省調査では、外遊びをする時間が長い幼児ほど、体力が高い傾向にありましたが、4割を超える幼児の外遊びをする時間が 1 日 1 時間(60 分)未満でした。』
引用:文部科学省「幼児期運動指針ガイドブック」
体操教室で定期的に身体を動かすことで、基礎となる能力が向上し、健康を維持しやすくなるメリットがあります。
それだけでなく、意欲的に取り組む心が育まれたり、協調性やコミュニケーション能力が育ったり、認知的能力の発達にも効果が見込めます。
身体を動かすことの楽しさを覚えるために、体操教室を選択肢に加えてみましょう。
幼少期の育て方 まとめ
幼少期は、これからの人生を生き抜く力を培う大切な時期です。
子どもは、自ら興味を持って「楽しい」と感じることこそが学びの原動力になります。
そのため保護者は、子どもの表情や心情をよく観察して、一緒に共感してあげることが大切です。
子育ては正解がないので、「どのように育てたらいいの?」「叱りすぎたかな?」と頭を抱えることもあるかと思います。
ですが、お子さまが興味を持ったことに対して温かく見守るだけで十分、お子さまの成長のサポートに繋がるのです。
お子さまと一緒に過ごす時間を楽しむことが何より大切だと言えるでしょう。